低血圧のつらい症状は、どこからくるのか。改善策は。

低血圧とは~自覚症状に乏しい時の対処

体がふらついたりめまいがする、なんとなく疲れやすいと感じることが多い...それはひょっとすると、低血圧の症状かもしれませんね(低血圧(Wikipedia))。


低血圧は男性より20~30代の女性に多い症状で、患者数は1,600万人程度、およそ100人に2~7人程度の割合とされます。

体型的には、「痩せ型で、なで肩・筋肉質」の人に低血圧が多いといわれます。


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低血圧においては、高血圧のように国際的に決められた数値基準のようなものはありませんが、一般に「最大血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下」の場合が低血圧とされています。

通常、最低血圧(拡張期血圧)は考慮にいれません(なお高血圧につきましては、関連サイト 「高血圧~その症状と食事・生活習慣による予防」 も、あわせてご覧ください)。


そもそも「血圧」とは、血液が流れるときに血管を内側から押す圧力のことを指しますが、血管が拡がったり血のめぐりが悪くなることで血圧が下がってしまう状態が、この「低血圧」になります。


一般的な低血圧の症状として、めまいやふらつき・耳鳴り・食欲不振・倦怠感・手足の冷えやむくみなどがあります。


しかし低血圧だからといって、これらの症状がいつもセットで現れる…というわけではありません。


単に血圧が低いだけで不快な症状を伴っていない場合は、低血圧症とは呼ばれませんし、それに対する特段の治療も成されることはありません(ちなみにめまいや立ちくらみは、単なる「貧血」で起きることも多いです。血液内のヘモグロビンの不足によって起きる「貧血」は「低血圧」とはまったく別のものですので、注意しましょう)。


低血圧の人は一般に長寿の傾向があるといわれるくらいで、高血圧に比べ深刻さの度合いもぐっと低くなることもあってか、体質だから…とあまり気にとめず、日常生活を過ごされる方も多いようです。

低血圧の種類と原因~改善方法


低血圧


低血圧の種類ですが、そのほとんどが「本態性(ほんたいせい)低血圧」と呼ばれる、特にはっきりとした原因が見当たらない、いわば「体質としての低血圧」です。

血圧は遺伝による影響が強いことから、親が低血圧の人は低血圧になる可能性が高くなる、といわれます。


「本態性低血圧」の場合は、無理に血圧を高くするための治療や投薬などは、よほど重症の場合を除いて通常は行われません。

個人差こそあるものの、投薬のみでは十分な改善が得られないことが多いため、通常は食事療法や運動・睡眠の見直し等が優先され、薬は補助的に処方されます。


疲れやめまいなどの低血圧の症状を減らす方向で、「生活習慣の改善」と「体力づくり」に関わる指導が成されていくことになります。


ストレス


ただし、これらによっても症状が改善せず、どうしても日常的なつらさに耐えかねるような場合には、専門医の指示のもと薬物治療を行うケースもありますので、その場合には専門医に相談してみるのがよいでしょう。


低血圧の処方薬には、交感神経を刺激し血管を収縮させたり、心拍からの血液の出量を増加させて血圧を上昇させる薬(昇圧剤)があります。

昇圧剤以外にも、自律神経の緊張を緩和させるための「抗不安剤」が処方されることもあります。


投薬治療には動悸や頭痛・吐き気などの副作用の懸念があるため、開始についての医師の判断は慎重に行われます。

高齢者の場合は、副作用の発現リスクが高まるとして、薬の使用が許可されない場合もあります。


副作用が心配な方は、そのリスクが比較的少ない「漢方薬」の投与も選択肢となります。


病院で低血圧に処方されることの多い代表的な漢方薬には、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。

「補中益気湯」は体力・気力の低下からくる疲れ・胃弱・立ちくらみ等の症状、そして「当帰芍薬散」は冷え性・月経不順等の症状を伴う低血圧において、よく処方されます(いずれも健康保険の適用があります)。

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具体的な改善の方向としては、まず自律神経を整えて血管の拡張・収縮がスムーズに行われるようにするため、昼夜の生活リズムを規則正しくするよう努めます。

日中は外出して適度に日光を浴び、夜更かしなどを避けるのがよいとされます。


また、生活において強い精神的ストレスを受け続けることは低血圧の症状を増長・悪化させることから、これも避けたいところです。

タバコ・コーヒーなどの嗜好品も量を控えるようにし、血圧を下げやすくする「アルコール(飲酒)のとり過ぎ」や「食べすぎ」も、なるべく避けるようにします。


特に日常生活上の注意として、横になった状態からいきなり立ち上がると急激に血圧が低下し、立ちくらみや一時的な失神を起こす、いわゆる「起立性(きりつせい)低血圧」と呼ばれる症状の方がいます。

そのような方は外出先の信号待ちや駅のホームで事故に巻き込まれぬよう、日頃から気をつける必要があります。


ちなみにこの起立性低血圧は、特に小学生くらいの子どもによく見られる症状ですが、成長するにつれて一般に症状も解消していきます。

また、降圧剤の服用中にこの起立性低血圧の症状が起きる場合もありますが、その場合はなんらかの自律神経の病気の疑いもありますので、薬の服用を中止したうえで医師と対応を相談する必要があるでしょう。


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症候性低血圧なら、明らかに別の原因となる病気がある

子どもに見られやすい「起立性低血圧」に対して、成人、特に中高年に多いのが「症候性(しょうこうせい)低血圧」です。

これは心臓や胃腸・内分泌などの病気や、病気治療のための投薬が血圧低下の原因となっている場合を指します。


とりわけ高齢者は、加齢によって自律神経の乱れが起こりやすく一日の血圧の変動幅も大きくなりやすいことから、病気や薬によってそれがさらに促され、低血圧の症状を呈することがあります。

加えて高齢者には、食後に消化吸収のホルモンが分泌され血圧が下がることから起きる、「食後低血圧」と呼ばれる症状も多くみられます。


なお症候性低血圧の場合には、低血圧のはっきりした原因があるために、その大元の病気の治療が成されることになります。


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まとめ~その症状、低血圧か否かをチェック

睡眠


最後にまとめますと、低血圧は一般的な「本態性低血圧」なのか、それとも何か別の病気などによって起きる「症候性低血圧」なのかの見極めがまずは大切、ということになります。

そしてそれにより、改善のための治療方針も変わってくることになります。


「本態性低血圧」の場合は、上に述べた規則正しい食事・適度な運動・十分な睡眠など「生活習慣の見直し」がポイントになってきますね。

また、「これは低血圧では?」と疑われる場合でも、実は低血圧ではなく、別の身体的・精神的疾患であることもあり得ます。


低血圧の症状が疑われた場合には、自分で判断したり状況を放置すること無く、まずは専門医に相談してみることが先決になりますね。



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